オンライン日本語教師に英語力は必要ない?
直接法を使うから大丈夫?
こうした考え方を、オンライン日本語教師向けの記事やSNSでよく見かけます。
たしかに、間違いではありません。
直接法で成立しているレッスンもありますし、日本語だけで教える価値もあります。
ただ、長期的にリピートされるレッスンという視点で見ると、少し立ち止まって考えたほうがいいポイントもあります。
この記事では、
- オンライン日本語教師にとって英語力はどこまで必要なのか
- なぜ「直接法だけ」では難しくなる場面があるのか
- 英語力をどう位置づければ、レッスンの質と信頼関係につながるのか
について、私自身の経験をもとに整理します。

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英語ができないこと自体が問題なのではない

まず最初に、誤解のないように書いておきます。
英語ができない=ダメな教師という話ではありません。
また、直接法=古い/間違っているという話でもありません。
問題になりやすいのは、
- 英語は一切使うべきではない
- 直接法が「唯一の正解」になっている
という 未検証の思い込みが、そのまま固定されているケースです。
「本当に今の自分のレッスンに合っているか」を検証しないまま使い続けていると、気づかないうちにレッスンの幅を狭めてしまうことがあります。
オンラインレッスンでは「効率」が求められる場面がある
オンライン日本語レッスンでは、対面授業よりも 効率 が求められる場面が多くなります。
特に、
- フリートーク
- トライアルレッスン
- レッスン初期の関係構築
このあたりでは、生徒が
言いたいことはあるけど日本語ではまだ言えないという状態になることがよくあります。
このとき、生徒がふと口にする英語の単語や表現を、教師が理解できるかどうかでレッスンの流れは大きく変わります。
レッスンの一場面
生徒:
日本語学習者 リンさん連休は人が多いです。渋滞を…えっと……avoid したいです。
教師:



渋滞、嫌ですよね。avoid は、日本語だと……?」



「さ……さ……」



この前、〇〇の話のときに出ましたね。
さ……



あ、わかった!避ける!



そうです。「渋滞を避けたいです」ですね。
こうしたやり取りは、よくある場面です。
このとき、教師が英語をまったく理解できないと、
ヒントを出すことも、誘導することも難しくなります。
ある程度の英語理解があれば、
- 生徒の言いたい方向を察する
- 日本語に引き戻す
- 日本語でアウトプットさせる
という流れを、自然に作ることができます。
英語力の目安は「TOEIC730点前後」


では、どのくらいの英語力が必要なのか。
私自身の経験から言うと、わかりやすい目安で言うとTOEIC730点前後あれば、実務上は十分です。
ネイティブのように話せる必要はありません。
難しい文法説明を英語で完璧にする必要もありません。
- 初級〜中級の日本語説明ができる
- 生徒の英語を部分的に理解できる
- レッスン外の簡単なやり取りができる
この程度で問題ありません。
発音やニュアンスの説明にも役立つ


英語などの外国語を学ぶと、発音や音のつながりについても説明しやすくなります。
たとえば、



あとで「ほんの」買いに行きます。



「ほん」と「を」は、つながりません。
英語でだと “can I” は音がつながりますが、日本語では n と o はつながらないんです。
英語の発音を知っているからこそ説明できることで「なぜ通じにくいのか」を生徒が論理的に理解する助けになります。
英語はレッスン外の信頼構築にも使われる


英語力が役立つのは、レッスン中だけではありません。
- メッセージのやり取り
- ちょっとした雑談の共有
- 祝福やお悔やみ
- 急な予定変更の連絡
こうした場面では、日本語学習ではなく、コミュニケーションが目的 になります。
生徒の日本語レベルによっては、英語、英語+日本語のミックスのほうが、気持ちが正確に伝わることも多いです。
日本語教師だからといって「全部日本語で送ること」が正解とは限りません。
英語以外の言語も「差別化」になる


英語は汎用性が高い分、「ある程度話せる日本語教師」は多くいます。
一方で、
- 中国語
- 韓国語
- その他の言語
ができる教師は、まだ少数です。
もし差別化を考えるなら、英語+もう一言語、という組み合わせは強みになります。
まとめ


オンライン日本語教師にとって英語力は、必須資格でも絶対条件でもありません。
ただし、
レッスンの効率
生徒との信頼関係
長期リピート
を考えると、英語力は「持っていると確実に役立つ道具」です。直接法か、間接法か、という二択ではなく、
自分のレッスンではどこで、どう使うのが適切か
を一度立ち止まって考えてみる方がじつは大きな差を生みます。







