新人日本語教師 ゆりかさん日本語上級者のレッスンって、
何をしたらいいのかわからない。
フリートークだけでは物足りない気がする。
でも、文法や教科書を使う感じでもない。
こんなこよく他の日本語教師の方々から相談されます。
上級者レッスンが難しく感じられるのは、「ネタがないから」でも「経験が足りないから」でもないんです。
多くの場合、ヒアリングをしっかりと行わないのでレッスン全体の設計や、ゴールの置き方が整理されていないことが原因です。
上級者レッスンの結論はシンプルで、これだけ抑えればOKです。
①目的をヒアリングしてゴールを決める
②「説明できる力」を土台にする(=フリートークを雑談にしない)
③ケース別に型を変える(面接/ビジネス/添削/専門説明)



この記事では、私が実際に行っている日本語上級者レッスンを例に、レッスンをどのように組み立てているのかを整理してご紹介しますね。


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日本語上級者レッスンが難しい理由
初級者・中級者の段階と上級者のニーズの違い
初級者・中級者の段階では語彙や文法を増やす、会話に慣れるといった「日本語そのものの習得」が主な目的になります。
それに対して、上級者になると、日本語はすでに目的ではありません。
日本語を道具として使って、何を達成したいのか。
そこがレッスンの軸になります。
仕事、研究、進学、目的や立場が違えば、必要な語彙、表現、思考の深さもまったく変わります。
つまり、上級者レッスンでは「この教材をやればOK」という共通解は存在しません。
だからこそ大切なのが、生徒の目的に合わせてレッスンを組み立てる引き出しを持っておくことです。
ここからは、私が実際に行っている日本語上級者レッスンの例をもとに、どのようにレッスンを設計しているのかをご紹介していきます。
上級者フリートークを雑談で終わらせない設計
上級者向けのレッスンは、一見すると
- 面接対策
- ビジネス日本語
- プレゼン
- 専門分野の説明
など、別々に見えます。
ですが実際には、すべて同じ力を土台にしています。
それが、
自分の考えを整理し、相手に伝わる形で話す力
です。
そして、この力を一番わかりやすく鍛えられるのが上級フリートーク です。
フリートークは「雑談」ではありません。
上級者レッスン全体を支える、土台の部分です。
「日本語で説明できる力」をつけるレッスンができる提供できるかどうかで、レッスンの安定感も、リピート率も大きく変わります。
ちなみに、私が上級フリートークで一番大切にしている考え方については、別の記事で少しだけ整理しています。


ケース別:上級者レッスンは何をする?(面接/ビジネス/添削/専門説明)
論理的に話す (面接、入試準備)


上級者の生徒からよく出る悩みが、「考えはあるのに、必要な場合になるとうまく話せない」というものです。
これは日本語力そのものの問題というより、考えを日本語でどう組み立てて話すか という部分でつまずいているケースがほとんどです。
このタイプのレッスンでは、いきなり話してもらうことはしません。
まず「話の枠」を共有します。
たとえば、
- 何を一番伝えたいのか
- その理由は何か
- 具体例はどこに入れるのか
といった、話の流れです。
話し終わったあとには、「私はこう理解しました」「ここが少し分かりにくかったです」という形でフィードバックをします。
生徒が伝えたかった内容と、こちらの受け取りが一致していれば、「伝わる話し方」ができているということになります。
実例:MBA入学準備の生徒
Dさんは、日本のMBAに進学するため、面接と書類対策を目的にレッスンを受けていました。
このケースで重視したのは、正しい日本語を書く、話すこと ではなく、「なぜそう考えたのか」を筋道立てて説明できるかどうかです。
レッスンでは、志望理由や研究計画をどう整理して話すか、面接でよく聞かれる質問にどう順序立てて答えるかといった点を中心に確認していきました。
その結果、
- 考えを論理的に組み立てて話せるようになる
- 想定外の質問にも慌てず対応できる
- 日本語表現の不自然さに自分で気づける
ようになりました。
このように、内容そのものより「伝え方」を整える ことで、面接対策はかなり安定してきます。
ロールプレイ、プレゼン(ビジネスの実務)
実際に仕事で日本語を使っている生徒の場合、知識を教えるよりも、使う場面を再現することを重視します。
私は聞き手として、実際の相手と同じ立場で話を聞きます。
そして、
- どこが分かりにくかったか
- どこで違和感を持ったか
を、そのまま伝えます。これは、日本語を教えるというより、伝わる日本語に整理する作業 です。
書く力・文章の添削
上級者ほど、書くときに差が出ます。
会話では流暢でも、文章になると急に不自然になる生徒はとても多いです。
意味は合っていても、日本人には強すぎたり、冷たく感じられたりすることがあります。
レッスンではどこが不自然か、なぜ不自然だと感じるのかを一緒に整理します。
「直す」ことよりも、同じ内容でも印象が変わる理由を理解することを大切にしています。
専門知識の説明をするレッスン
研究者や技術職の生徒の場合、知識そのものではなく、説明する力を見ます。
教師が専門家である必要はありません。
「日本語は分かるが、内容は知らない人」として話を聞くことで、
- どこで詰まるか
- 何が伝わっていないか
が、はっきり見えてきます。
そのズレを整理すること自体が、上級者にとって非常に良い練習になります。
上級者レッスンがうまくいかない時のサイン
多くの場合、
- 話題選びに迷う
- その場しのぎになる
- 成長が見えにくい
といった悩みが出てきます。
これは、レッスン設計の視点が整理できていないケースがほとんどです。
まとめ
日本語上級者レッスンで大切なのは、やり方やネタをたくさん用意することではありません。
見るポイントと設計を決めること。
それだけで、フリートークも、ビジネス日本語も、すべて一本につながります。
フリートークを「雑談」で終わらせず、レッスンとして成立させるための考え方や、私が実際に見ているポイント、質問の入れ方、ケーススタディは別の教材にまとめています。
上級者向けのレッスンではピンポイントで役立つ内容となっております。
興味がありましたら、参考にしてください。














