この記事は、「日本語上級者レッスンは何をする?」の記事の補足として書いています。

上級者は日本語が上手すぎて、
レッスンで何をしたらいいかわからない
実は私自身、毎回トピックを用意することはほとんどありません。
理由は、上級の生徒と信頼関係を築けばレッスンは1回や2回で終わることはほとんどなく、1年以上リピートされることがほとんどだからです。
毎回トピックを用意するやり方では、いずれネタが尽きます。その代わりに私が意識しているのは、「生徒の話をどう扱うか」 です。



上級フリートークで一番大切なことは
生徒の「自分ごと」の話を、どこまで踏み込めるか
これだけです。
では、具体的にどのようなものかご説明していきますね。
上級者のレッスンで生徒が本当に求めているもの


踏み込んだ知的な会話
上級者がレッスンで本当に求めているのは、母語でしているような 踏み込んだ知的な会話 です。
ただ話すことではなく、自分の意見を持つ、それを相手に伝える、ズレたら調整する、この一連のやり取りを日本語でできるようになりたいんです。
上級者レッスンで求められているのは、文法でも語彙だけでなく、「考えて話す力」 です。
好まれる話題について
上級者の多くは、ビジネス、経済、社会、文化、政治など、母語で日常的に考えているテーマを日本語でも扱えるようになりたいと考えています。
表面的な情報交換や、当たり障りのない感想ではなく、
- 自分の意見
- 判断の理由
- 背景にある考え方
こうした部分を、日本語で整理して話せるようになりたい。
だからこそ、教師自身がある程度これらの話題を受け止められないと、会話は浅くなります。
日本語上級者のフリートークのトピック選びで大切なこと
「自分ごと」になっているか


上級者向けフリートークで一番大切なのは、その話題が 生徒にとって自分ごとかどうか です。
興味のないテーマは、どれだけ立派でも使われません。
たとえば、「環境破壊についてどう思いますか?」
いきなりの質問を投げても、多くの場合会話は広がりません。
抽象的すぎて自分との関連を見つけにくいからです。
「ゴミの分別、正直どう思っていますか?」
または、生徒の仕事や業界に関係する話題から入る。
生徒に引き寄せた話題 から入り、そこから広げればいいだけです。
生徒を知るために私が最初に見ていること
上級生徒のトライアルや最初の数回のレッスンでは、私は生徒の間違いよりもどんな話をすると考え始めるかを見ます。
私はよく、次のような質問を自然な会話の中で使います。
- 最近、どんなことに一番時間を使っていますか?
この質問だけで、
- 仕事中心の人か
- 興味関心がどこにある人か
- 話を広げやすいタイプか
が、かなり見えてきます。ここで集めた情報をもとに、その後のフリートークの方向性を決めていきます。
上級フリートークに対応できる教師とは


上級フリートークは、話題の数で勝負するレッスンではありません。
- 生徒の話をどう受け取るか
- どこで問いを入れるか
- どこまで踏み込むか
この視点があるかどうかで、レッスンの質は大きく変わります。
引き出しが少なく、表面的な相づちだけになってしまうと、上級の生徒は長く続きません。
フリートークはただの「雑談」ではありません
上級フリートークで行っていることは、
- 自分の考えを整理する
- 相手に伝わる形で話す
- 日本人とコミュニケーションするために言い切る/曖昧にするを使い分ける
こうした力を、会話の中で鍛えています。
つまり、フリートークは上級者レッスンの土台であり、ビジネス日本語や専門分野の会話にもそのままつながっています。
まとめ


上級フリートークで大切なのは、
- 生徒の話を「自分ごと」として扱うこと
- 表面的な会話で終わらせないこと
- 踏み込むポイントを決めていること
やり方を増やす必要はありません。
見るポイントを決めるだけで、会話が生徒にとって大きな意味のあるレッスンになります。
フリートークを「雑談」で終わらせず、レッスンとして成立させるための考え方や、実際に私が見ているポイント、質問の入れ方、ケーススタディは別の教材にまとめています。
興味があるは、参考にしてください。














