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【実例7選】上級者レッスンの例+具体的な進め方

日本語上級者のレッスンって、どんなことをしたらいい?
こんなこよく他の日本語教師の方々から相談されます。
何をしたらいいかわからない、という理由で上級のレッスンを敬遠している方も多くいらっしゃると思います。ぜひこの記事を読んで挑戦してみてくださいね!

新人日本語教師 ゆりかさん

初級、中級のレッスンに慣れてきて、そろそろ次のステップに移りたいな。上級者レッスンって何をしたらいいんだろう?教材は何を使ったらいいんだろう?

Bona

そうですね。
ビジネス日本語初心者なら、教科書を使ったレッスンをお勧めしていますが、そのレベルよりもっと上の人には何を教えたらいいかよくわからないですよね
今回は私が実際に行っている上級者レッスンについていくつかご紹介いたしますね。

目次

上級者の目的は多種多様

上級者のニーズは多岐に渡っています。

初級者、中級者の目的はまず語学の習得です。
それに対して、上級者は日本語というツールを使用し、どんな目的を達成したいか、ということを重要視しています。

日常会話はN2程度でなんとかできるので、上級者で日本語レッスンを受ける人はやはり仕事で日本語を使う人が多いです。

世の中には色々な会社、職種があります。その分だけ学習者が必要とする語彙、表現は違ってきます。多種多様なニーズに対応できるレッスンの引き出しを持っておくことが大切です。

では、これから具体的にどのようなレッスンを行うか、また教材を使うかをご紹介していきますね。

1. TED

日本人が話しているTedを教材にして、まず宿題でシャドーイングをして練習しておいてもらいます。YouTubeのTEDの動画は文字でも見られるので(表示の仕方は下記参照)、良い教材になります。

レッスンで読み上げてもらい、イントネーションなどのチェックをします。語彙、文法などで質問があればそれに答えます。
それからその内容について話し合います。

いろいろな分野の人がいろいろなテーマで話していますので、表現、語彙の良い練習になります。

レッスンのステップ
1 生徒に動画を共有し練習しておいてもらう
2 レッスンでわからない表現、文法のチェック
3 読み上げてもらい 訂正
4 内容について話し合う

こんな生徒におすすめ

  • 発音を直したい
  • 日本人らしい表現を知りたい
  • 日本人らしい抑揚で話したい

「Ted日本人」とyoutubeで検索すると色々出てきますので、探してみてくださいね。
文字起こしはいいねボタンのある場所の一番右側の「…」をクリックすると「文字起こしを開く」と出てきます。そこをクリックすれば話している内容が文字で出てきますよ。

2. 論理的に話す

生徒からの要望で多いのが、面接の時などで自分の考えをうまく話すことができない、というものです。

もちろんこの問題は語学の問題だけではなく、論理的に文章を組み立てて話す、という練習が必要になってきます。
上級の生徒にはまず論理的に伝わりやすく話すには、どのように話を組み立てたらいいかなどを紹介します。(PREP法など)それからテーマを設定し、それについて論理的に話してもらいます。

その後、こちらが受け取った話のポイントをフィードバックします。生徒が伝えたかったこととと合致していれば、生徒の言いたかったことがわかりやすく相手に伝わった、ということになります。

レッスンのステップ
1テーマを準備し生徒に共有して自分の意見をまとめておいてもらう
2授業でそれを発表してもらう
3発表についてのフィードバック+日本語の間違いなどの訂正
4テーマについての意見交換(その中でも論理的に話すよう心がけて話してもらう)

こんな生徒におすすめ

  • 面接を控えている生徒
  • 仕事でわかりやすく顧客に説明、説得する必要がある生徒

3. ロールプレイ プレゼン等

生徒の顧客が日本人で会社概要などを仕事で発表しなくてはいけない、または社内のプレゼンテーションがあるという生徒もよくいます。そんな生徒さんには実際に私が聞き役になり、プレゼンテーションをしてもらいます。

ステップとしては、まず文法の間違いや不自然な言い回しを訂正します。

そしてそのプレゼンテーションを聞き、その内容の中で疑問に思ったことを質問します。生徒が説明できなかった部分は何を言いたかったかをまずよく聞いて理解し、その上で適切な言い方をいくつか説明します。そのようにしてわかりやすく説明できる能力をつけていきます。

商品説明をわかりやすくする練習などでも応用できます。

レッスンのステップ
(スライド一枚づつ)
1発表を聞く
2スライド、表現、発音などの訂正
3 1〜2をスライド終了まで繰り返す
4 全て終了後内容についての質問

こんな生徒におすすめ

  • 仕事でわかりやすく顧客に説明、説得する必要がある生徒
  • 会社でプレゼンテーションをする機会が頻繁にある生徒
  • 自分の日本語の発音が相手に伝わっているか自信がない生徒

4. メール、文章の添削(日本らしい言い回し等)

どんなに流暢に話せる人でも苦手なのが作文、特にメールです。ビジネスメール特有の表現方法やマナーがあります。外国語から直接日本語にするだけでは、相手に失礼な印象を与えかねません。伝えたいことは伝えながら、日本人に悪い印象を与えないメールの書き方を実際のメールから学んでいきます。

また自分の意見を述べる作文などもいいと思います。

書くことによって文法、助詞の使い方を再確認することができます。流暢に話せる生徒でも、書くと間違いが多く見られるんですよね。

レッスンのステップ
1 テーマを決めてメール、文章を書いてもらう (実際に仕事で書いたものもOK)
2 添削+解説 (添削だけでなく他のよく使う表現、ニュアンスなども説明)

こんな生徒におすすめ

  • 日本人の顧客と頻繁にメールのやり取りがある生徒
  • 今後日系企業に就職希望の生徒
  • 細かい助詞の間違いを直したい生徒

5. 専門知識の説明をしてもらう

専門分野について説明をするレッスンです。専門的な仕事、研究をしている生徒に特に有効です。
生徒の専門としていることはその分野の素人の私はわかりません。そのギャップをうまく使いレッスンを行います。

専門に関する記事を読んで内容について私が質問をします。
そして生徒に解説してもらい、私が理解できれば生徒の説明は成功です。もし私が理解できなければ、何が言いたかったか確認し、わかりやすく説明できるように、もっとふさわしい言い方にできるように手伝います。

レッスンのステップ
1 専門分野についての記事を読む
2 語彙、表現確認 質問回答
3 こちらからその記事の内容について尋ね、わかりやすく説明してもらう

こんな生徒におすすめ

  • 仕事でわかりやすく顧客に説明、説得する必要がある生徒
  • 専門用語を日本語で言えるようにしたい生徒

6. 生徒の文法、表現の質問にひたすら答える

上級レベルの日本語になると、自分で勉強を進められる人がほとんどです。
生徒が自ら問題点を発見して、質問に答えるレッスンの要望が多いです。

例えば意味はほとんど同じだけれど少しだけニュアンスが違う、使う場面が違う、ということがよくありますよね。
そんな質問にひたすら答えていきます。生徒が自分でわからないところを事前に集めておいて、まとめてレッスンの時に質問する、という感じです。

生徒によって、事前にその質問を共有してくれたりそうでなかったりしますので、文法の知識だけではなく、瞬時に情報を整理し、わかりやすく説明する能力が必要とされます。

レッスンのステップ
1生徒に分からない部分を準備しておいてもらう
2レッスンでその部分を説明する(不安な場合はレッスンの前に質問内容をにもらっておき、準備しましょう)

こんな生徒におすすめ

  • 細かいところがとにかく気になる生徒
  • 文法の違い、表現の細かなニュアンスの違いが知って使えるようになりたい生徒

上級の文法は難しいですよね!よく聞かれる質問は「似ている文法AとB、何が違う?」ということです。わずかなニュアンスの違いを即座に説明するのは至難の業です。経験を積んでそれらの質問に答えられるようになっていきますが、とりあえず本で勉強したい!という方にはこちらがお勧めです。
「新完全マスター文法 日本語能力試験N1」
N1合格を目指す生徒用の教科書ですが、似ている文法がまとめられていて私たち日本語教師が読んでも勉強になります

もちろん生徒のように問題を解くのではなく、「この似ている文法をよりわかりやすく説明するにはどうすればいいか?」と考えながら読んでいってくださいね。

7. 小説を読む

生徒の好きな小説などを読んで、わからない表現や文法を確認したのち、感想、今後の展開の予想、登場人物の気持ちなどを話し合います。

小説の選択は生徒の要望があれば基本的にそれで良いです。
ですが、小説の内容も注意するべきです。小説の内容が難解なものはやめましょう。
そして古い小説は表現が現代と違うことが多いので、なるべくここ20年程度の小説がおすすめです。
また、会話上達が目的の生徒には、より日常的な表現が多い小説を選択するといいと思います。

レッスンのステップ
1生徒にふさわしい小説を選択する(最初だけ)
2 レッスンで生徒に音読してもらう(適宜な場所で区切理ながら)
3 発音訂正 文法等の質問回答
4 内容について話し合う

こんな生徒におすすめ

  • 日本人らしい表現が知りたい
  • 日本文化、日本文学に興味がある

実際に私がレッスンで使っている小説の例

夜に駆ける YOASOBI小説集【Kindle限定】 最近人気ですよね。歌に興味を持っている生徒にお勧めです。電子書籍で海外の生徒も入手しやすいです。文章が簡単なので、上級の生徒の場合すぐに読めてしまうと思います。(中級も文章的にはいけそうです)上級者にも日常的な表現が多くありますので学べることは多いです。登場人物の気持ちを話し合うのもお勧めです。若い生徒さん向けです。

上級者には東野圭吾の小説もお勧めです。日常でも使えるセリフも多く、さまざまな語彙を学ぶことができます。映画化されている作品が多数あるので、生徒が見たことがあるものを選ぶと興味を持ってもらいやすいです。

こちらでもご紹介しています。

まとめ

上記でご紹介したレッスンは、単独で行うだけでなく織り交ぜて行うこともおすすめです。例えば1時間レッスンなら30分小説読解、30分ロールプレイ、こんなやり方でもいいと思います。また週に2回の生徒ならば1時間ずつ内容を変えてもいいかもしれません。その辺りは生徒の要望と目標に合わせて柔軟に対応できます。

今回は上級者の日本語レッスンについてご紹介いたしました。生徒がいればその分要望は違ってきます。生徒の状況に合わせた実践的なレッスンを提案、実行してあげましょう。

上記の7つのレッスンをぜひ参考にしてみてくださいね。

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