フリートークレッスンで満足度の高いレッスンを提供するために、生徒に「話すこと自体」を楽しんでらうことは非常に大切です。
そのために大切なのが「聞く力」。
話すことを楽しんでもらって、満足度を高めれば自然にリピート率も上がります。
リピーター生徒が多い本当の理由は?
私のレッスンは2年以上のリピーターが多いです。
リピーターの方のレッスンの中身を分析してみるとフリートークが含まれているレッスンがほとんどです。
レッスンはどれも全力で行っているので内容には自信を持っていますが、なぜ「こんなにも長く」続けてくれるのかと考えていました。
しばらくして、答えがわかってきました。
ある生徒にこう言われたんです。
「先生と話していると自分の考えや気持ちが整理できる。カウンセラーみたいですね。」
なるほど、「日本語の練習+会話を通じての心理的な満足」でレッスンを楽しんでくれているのか、と納得しました。
フリートークレッスンを求めている生徒の目的はもちろん第一に「日本語を上達させたい」というものですが、単純に「話したい」「理解されたい」というニーズもあるのだな、と思いました。
オンライン日本語教師になぜ聞く力が必要か
オンライン日本語教師の仕事はもちろん生徒の日本語の上達を助けることです。
では、何のために生徒は日本語を勉強しているのか?
コミュニケーションをするためですよね。
その「コミュニケーション」のニーズを満足させると、生徒は例え日本語の上達が多少遅くても会話自体に喜びを見つけて続けてレッスンを受けてくれるようになります。
コミュニケーションは相互的なものですが、フリートークレッスンを取る生徒は話を聞きたいというより、話したい、という欲求の方が大きいです。
そして、もちろん日本語のレッスンなので話してもらう機会をたくさん提供しなければなりません。
フリートークで話を広げるためには生徒が何を表現したいかを理解し、たくさん話してもらって盛り上がるような質問を投げかける必要があります。
そのためにはまず「聞く力」が大変重要になります。
「聞く力」を身につけることのメリット
聞く力をフリートークレッスンに応用するメリットはこのようなものがあります。
- 生徒にたくさんの発話の機会を与えられる
- 会話に焦らなくていい(生徒主導で進めるので)
- 生徒に「聞いてくれている」と言う印象を与え、心理的に話しやすい雰囲気を作ることができる
フリートークで「あー何を話したらいいかわからない!」という時ってありますよね?
「聞く力」をつけて、生徒の言いたいことが言えるように誘導してあげれば、生徒がどんどん話してくれますので困ることが少なくなります。
また生徒から様々な話を聞くことによって自分自身の視野を広げたり、知らなかった領域のことを学べたりすることがかけがえのない大きな財産になっています。嬉しい副産物ですね。
聞く力をつけるためには
では、相手が話しやすくなるような「聞く力」はどのように身につければいいのでしょうか?
「聞く力」に必要なことは
- 忍耐強く話を聞く
- 言いたいことを言えるように良い質問をする
- 話しやすい雰囲気を作る
ことです。
どんな会話でも臨機応変に対応できるようになるには、元々の性格にもよると思いますがある程度の経験が必要になります。
忍耐強く話を聞く せっかちはNG
もともと忍耐強く話を聞くことができる人はラッキーです。
しかし、スローペースの会話が我慢できない(生徒はネイティブではないので、会話はゆっくりになりがちです)いわゆるせっかちの人には苦痛かもしれませんね。
良い質問をする
ただ聞いているだけではだめで、聞きながら生徒が本当に言いたいこと、意味することはなんなのかを考えることが必要です。そしてそれを導くような質問を投げかけてあげましょう。
またもう私たちが知っている情報や言わなくても理解できることも、生徒の発話の機会を増やすために聞いてあげましょう。
話しやすい雰囲気を作る
「あなたの話に興味がります。ちゃんと聞いていますよ。焦らなくていいですよ。」
こんな生徒が話しやすくする雰囲気を作りましょう。
雰囲気の作りかたはシンプル。
会話に100%集中する。それだけでOKです。
スマホなど、他のことに気を取られていると相手にはすぐばれてしまいます。
すぐに使えるテクニック
「聞く力」をつけるにはある程度経験が必要なのは上記でお話ししました。
しかし、簡単に応用できるもいくつかありますので、ご紹介しますね。
表情を使う
聞いている時のリアクションは非常に重要です。
驚いたり笑ったりする時は普段より大きめにすると伝わりやすく、生徒に「ちゃんと話を親身に聞いてくれている」という印象を与えられます。
そうすることによって、生徒の心理的ハードルが下がり、リラックスして話せるようになります。
感嘆詞を効果的に使う
先ほどの驚いたり笑ったりするときはやや大きめにする、という部分と若干重複しますが、感嘆詞のバリエーションを広げ、アクションを大きくすると相手に共感や感情をより伝えることができます。
とはいえやりすぎるとかえって胡散臭くなり「ちゃんと聞いているのかな」と生徒に不信感を与えてしまう可能性があるので要注意です。
生徒の話に興味を持って聞けば自然に感嘆詞が出てくると思います。
それを若干テンション高めに表現する。それくらいでOKです。
フリートーク以外でも「聞く力」は活かせる
フリートーク以外でも「聞く力」は活かすことができます。
カウンセリング
例えばカウンセリングで生徒の生活状況、要望を聞き、本当に必要な能力は何かを分析します。
そして最適なレッスンを提供することが可能になります。
もし、生徒の要望のみを適当に聞いてレッスンの提案をしていたら目標達成までになかなか到達できなかったり、実際の生活で使えない場合が出てきますので、「聞く力」を発揮して、生徒の本当の要望を察知することが不可欠です。
文法レッスン
文法のレッスンでも「聞く力」は発揮できます。
例えば生徒がいつも同じ部分で躓いているとします。そこで毎回ただ訂正するよりも一度時間をとって「どういうところがわかりにくいか、曖昧になっているか」を生徒からヒアリングします。
生徒が理解していない根本的なことは何なのかよく話を聞くことで分析し、クリアにしてあげることは生徒にとって大きな前進になるでしょう。
「聞く力」を磨くことで、生徒が抱えている問題を把握し、わかりやすい回答を返すことが可能になります。
参考になった本
最後に参考になった本をご紹介します。
「人は聞き方が9割」という本です。
「一番売れている聞き方の本」だそうです。
実例を数多く挙げて、聞き方についてわかりやすい文章で書いてあるので、とても理解しやすかったです。
実生活のコミュニケーションではもちろん、「なるほど!これはオンラインレッスンでも応用できるな!」という部分が多く大変勉強になりました。
(ちなみにAudible