最近、ある音楽教室が、フリーランス講師に体験レッスンを無償で行わせていたというニュースを見ました。
それを見て、オンライン日本語教師の働き方にも近い構造があると感じました。

オンライン日本語教師として10年以上、10,000回以上のレッスンを行ってきました。
生徒のリピート率は90%以上。
2年以上継続してくださる方が過半数で、5年以上続く生徒さんも多数います。
また、オンライン日本語教師向けのサポートにも5年以上携わってきました。
教材や講座を通して、発信、プロフィール、価格設計、レッスンの組み立てを見直しながら、自分に合った形で成長してきた方も多くいます。なかには、月収80万円前後まで伸ばした方もいます。
日本語教育能力検定試験合格。
私がお伝えしているのは、目先の売上を追うための方法ではなく、長く続けるための土台となる本質的な知識です。
プラットフォームを使うこと自体は悪くない
もちろん、語学学習プラットフォームを使うこと自体は全く悪いことではありません。
むしろ、オンライン日本語教師にとってプラットフォームはとても便利な仕組みです。
自分で一から集客しなくても、生徒に見つけてもらえる。
予約や決済の仕組みが整っている。
レビューやプロフィールページが用意されている
これらは大きなメリットですよね。
特にオンライン日本語教師を始めたばかりの時期には、大きな助けになります。
実際、プラットフォームがあるからこそ、自分では届かなかった層に見つけてもらえたりすることもあります。
「「プラットフォームを使わないほうがいい」という単純な話ではありません。大切なのは、どんな仕組みで成り立っているのかを理解したうえで使うことです。
たとえば、
どこで収益が生まれているか。
誰がどのコストを負担しているか。
自分にとって得になる部分はどこか。
消耗しやすい部分はどこか。
こういう視点を持つことがとても大切なのではないでしょうか。
トライアルレッスンは「ただのお試し」ではない
考えたいのが、トライアルレッスンや新規生徒のサイクルです。
ある語学学習プラットフォームでは、トライアルレッスンの仕組みによって、講師側に報酬が入らないケースがあります。
生徒はレッスン料を支払いレッスンを受ける。
講師は時間を使ってレッスンをする。
その初回レッスンの対価が講師に入らない。(プラットフォーム側に入る)
この仕組みを見ると、やはり少し俯瞰で考える必要がありますよね。
もちろん、すべてのプラットフォームが同じ仕組みというわけではありません。
トライアルレッスンでも講師に報酬が入るプラットフォームもあります。
ただ、どのプラットフォームを使う場合でも、トライアルレッスンや新規生徒への対応には、時間と労力がかかります。
トライアルレッスンは見えにくい労力がかかる
トライアルレッスンでは、ただ簡単に話しているわけではありません。
生徒のレベルを確認し、学習目的を明確にし、適切なレッスンを考え、信頼関係の入口を作る。
こうしたことを、初回の限られた時間の中で判断する必要があります。
つまり、トライアルレッスンは「ただのお試し」ではありません。
かなり頭を使う仕事です。
その時間や労力が報酬に反映されにくい仕組みであれば、講師側だけが消耗しやすくなります。
新規生徒が多いほど、教師側が消耗する
プラットフォーム側は、新規生徒が入り、レッスンが発生すれば収益につながります。
特に、トライアルレッスンの報酬が講師ではなくプラットフォーム側に入る仕組みの場合、新規生徒のサイクルが早いほど、プラットフォーム側には利益が生まれやすくなりますが、教師側にとっては、新規生徒が多ければ多いほど、不安定になる可能性があります。
新規生徒が増えるたびに、教師は毎回ゼロから関係を作る必要があります。
そして、継続につながらなければ、その労力はその場で終わってしまいます。
SNS集客も「手数料がないから楽」ではない
それなら「プラットフォームを使わずにSNSで集客すればいい」と単純に考えるのも少し危険です。
SNSで自分で集客すれば、プラットフォームのような手数料はかかりません。
ですが、その代わりに、SNS運用、問い合わせ対応、予約管理、決済確認、キャンセル対応、継続案内などを自分で行う必要があります。
SNSで集客するには、日本語教師としての能力とは別に発信力が必要になります。
つまり日本語教師の仕事に加えSNS運営という大変な仕事も両立する必要があります。
簡単なことではありません。
さらに、自分で集客する場合は、生徒管理もすべて自分で行う必要があります。
予約の管理、支払いの確認、キャンセル対応、メッセージのやり取り、レッスン履歴の管理。
こうした細かい作業は、想像以上に時間とエネルギーを使います。
数人だけなら、大きな負担にはならないかもしれません。
ですが、数人の生徒だけでは、安定した収入にはつながりにくいです。
ある程度の人数を集めようとすれば、今度は事務的な手続きや顧客対応が増えていきます。
つまり、SNS集客は「手数料がかからないから良い」という話ではありません。
大切なのは、どのコストを引き受けるかを理解すること
プラットフォームでは、お金として手数料を払う。
SNS集客では、自分の時間と労力で集客や管理を行う。
どちらにもコストがあります。
大切なのは、どちらが正しいかではなく、自分がどのコストを引き受けるのかを理解することです。
お金で払う?
時間で払う?
労力で払う?
精神的な負担として払う?
何も考えず、「手数料がもったいないからSNS集客をすればいい」と考えてしまうと、あとで苦しくなります。
逆に、「自分で集客するのは大変だから、ずっとプラットフォームに依存するしかない」と考えてしまうと、プラットフォームのルールに振り回され続ける可能性があります。
どれがいい、という話ではない
これは「SNSで集客すればいい」という話でも、「別のプラットフォームに変えればいい」という話でもありません。
SNS集客にもコストがありますし、プラットフォームにもそれぞれ特徴があります。
大切なのは、自分がどんな生徒をターゲットにしているのか。
その生徒はどこにいるのか。
その場所で、自分のレッスンの価値が伝わるのか。
を考えることです。
ターゲットによって、合う集客方法やプラットフォームは変わります。
「有名だから」「登録者が多いから」「手数料が安いから」だけで選ぶのではなく、自分のレッスンと相性のよい生徒に出会える場所かどうかを見ることが大切です。
選ぶためには、何を得て、何を失っているのかを理解しておく必要があります。
行動と理解、両方大切
まず、行動は大切です。
そして長く続けたいなら、行動だけでなく視座を高く持つことも必要です。
オンライン日本語教師を一時的な経験として考えているなら、まず登録してみる、レッスンをしてみる、生徒と話してみる。それだけでも十分意味があります。
行動したからこそ分かることがありますし、経験そのものが価値になることもあります。
ただ、オンライン日本語教師を長期的な仕事として続けたい場合は、行動するだけでは足りません。
なぜなら、長く続けるためには、目の前のレッスンだけでなく、集客、継続、管理、収入の安定、生徒との相性、自分の働き方まで考える必要があるからです。
オンライン日本語教師を一つのビジネスとして考えるなら、自分がどんな仕組みの中で働いているのかを理解することは大切です。
目の前のノウハウだけでは、長く続ける視点が抜けやすい
オンライン日本語教師については、「儲かる」「好きな場所で働ける」「楽しく働ける」「授業資料はこう作る」といった情報をよく見かけます。
もちろん、このような情報が役に立つことはあります。
始める前は収入のことが気になりますし、実際にレッスンをするなら教材や授業資料についての情報も必要です。
でも、それだけを見ていると、「この働き方を長く続けられるのか」という視点が抜けてしまい、とにかく単価を上げることや、新規生徒を集めることに意識が向きやすくなります。
オンライン日本語教師として安定して働くためには、集客、継続、管理、働き方全体のバランスを見る必要があります。
結局、長期で続く生徒が多いほど安定する
プラットフォームを使う場合でも、SNSで自分で集客する場合でも、共通して言えること。
それは、長期でリピートしてくれる生徒が多ければ、働き方は大きく安定するということです。
プラットフォームの場合、新規生徒のたびにトライアル対応をし続けると、時間と労力が消耗されますが、一度来た生徒が長く続けてくれれば、その初回対応の負担は回収できます。
SNS集客の場合も同じです。
自分で発信し、問い合わせ対応をし、予約や決済を管理するのは大変です。
でも、その生徒が長期で続いてくれれば、集客や顧客対応にかけた労力は無駄になりにくいです。
感情労働が減る
また、長期の生徒が増えると、感情労働も減りやすくなります。
新規生徒の場合、まだお互いのことをよく知りません。
どのくらい説明すれば伝わるのか、どこまで指摘していいのか、どんな言い方なら理解しやすいのか。
どんな距離感が合うのかなどを、毎回慎重に探る必要があります。
一方で、長く続いている生徒の場合は、少しずつ信頼関係ができています。
そのため、誤解が起きにくくなります。
同じ50分のレッスンでも、初めての生徒と、信頼関係のできている生徒では、教師側の負担はかなり違います。
長期の生徒がいるということは、収入が安定するだけではありません。
レッスンの質が上がり、感情労働も減りやすくなるということです。
プラットフォームの仕組みは変えにくいけれど自分の働き方は変えられる
プラットフォームの仕組みを、個人の講師が変えることは簡単ではありません。
前述のようにプラットフォームの仕組み上、新規生徒への対応が増えるほど、報酬につながりにくい労力が増えてしまうことがあります。
そして手数料、トライアルレッスンの扱い、検索順位、レビュー、キャンセルルールなどは、個人の努力だけですぐに変えられるものではありません。
だからこそ、私はプラットフォームの仕組みに不満を持って嘆くだけではなく、自分で変えられる部分に目を向けることが大切だと痛感しています。
その負担を減らすためには、新規対応を繰り返す働き方から、長期でリピートしてくれる生徒に選ばれる働き方へシフトすることが鍵になります。
オンライン日本語教師として長く安定して働きたいなら、目の前の集客だけでなく、働き方全体を少し高い視点で見直してみることが大切です。
長く続く生徒に選ばれるために
長期でリピートしてくれる生徒を増やすには、
プロフィールで、自分がどんな先生なのかを伝えること。
トライアルレッスンで、継続する価値を伝えること。
通常レッスンで、生徒が「この先生と続けたい」と思える流れを作ること。
この3つが整うと、報酬につながりにくい新規対応を繰り返す働き方から、長期でリピートしてくれる生徒に選ばれる働き方へ、少しずつ変えていきやすくなります。
「トライアルレッスンばかりで疲れる」
「新規生徒は来るのに、なかなか続かない」
「もっと長く続く生徒を増やしたい」
このように感じている方は、まずは自分の見せ方とレッスンを見直してみてください。
オンライン日本語教師として長く安定して働きたい方は、以下の教材も参考にしてみてください。



長く続く生徒に選ばれるためのプロフィール作り、トライアルレッスンの進め方、フリートークレッスンについて、各教材で詳しく解説しています。


